如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

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高井ジロル,進藤英幸「『漢和辞典』に載っているヘンな漢字」

「漢和辞典」に載っているヘンな漢字作者:高井 ジロル二見書房Amazon インターネットをいじる仕事をしているので時折、Shift-JISやUnicodeやら文字コードの狭間に突き落とされて悩むことがある。そんな難しい活字を持ってこられても、ネット上では表示できま…

勉強する前より、勉強の最中に読んだ方がいいかも:ロンブ・カトー「わたしの外国語学習法」

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)作者:ロンブ カトー筑摩書房Amazon 何かというと「英語を勉強する!」という目標を掲げて、結局は三日坊主で終わるという自分の経歴を振り返ると、自分の甲斐性の無さというか持続性の無さというか、ダメ人間ぶりしか…

完敗:ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」

ツァラトゥストラは こう言った 上 (岩波文庫)作者:ニーチェ,氷上 英廣岩波書店Amazon いつかは読もうと思いつつ、ずるずると時間が経ってしまったという名著。とうとう挑戦する時がきました。…しかし、読了しての正直な感想は一言。「全然理解できませんで…

「当たり前」を学術的にたどる旅:ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」

銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎 文庫 (上)(下)巻セットAmazon 同じ人間でありながら、生活や文化に差が生じるのはなぜか−。 単純な疑問でありながら、明確な回答を求められると詰まってしまう疑問の一つであろうと思います。なぜ、同じ人間なの…

「新聞再生 コミュニティからの挑戦」畑仲哲雄

本文中にもあるが、今まで「新聞の危機」をテーマとする本の多くは、「新聞産業」が直面する問題を取り上げている。それに対し、この本はまず本来「新聞」という言葉が持つ意味をコミュニティでのアジェンダセッティングの中核と定義する。そして、地方紙と…

速読の在り方を通して考える読書:「本の読み方 スロー・リーディングの実践」平野啓一郎

とても面白かった。おすすめ。 この本では、いわゆる速読に対し、あえてゆっくりした読書で本を血肉にしようという「スロー・リーディング」を提唱している。 なぜ「スロー・リーディング」かという議論から入り、森鴎外「高瀬舟」や三島由紀夫「金閣寺」な…

最後の護送船団としての新聞業界。しかしその船からはネズミが消えている:「新聞社 破綻したビジネスモデル」河内孝

発行は2007年。 もはや「マスゴミ」という呼び方もすっかり定着した感があるわけだが、なぜマスコミはここまで嫌われているのかというのを解き明かそうとすると、実はよくわからない私情が入り込んだり、ポジショントークになってしまったりで、理屈で説…

「サブプライムローン問題とは何か」春山昇華

正直言って、金融のことはよくわからなかったりする。「金融」と聞いて真っ先に連想するのが「ナニワ金融道」な程度だ。 とはいえ、曲がりなりにも社会人をやっていると、たまに使わざるを得なかったのが「サブプライムローン」という言葉。もはやずいぶん昔…

森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」(岩波文庫)

山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)作者:森 鴎外岩波書店Amazon 全6篇が収めされているいわば短編集だが、やはり一番心を動かされたのは表題にある2篇だろうか。短い作品ながらも、心を動かされる。むしろ、短いからこそ、徹底して無駄を削ぎ落し…

ブラトン「ソクラテスの弁明・クリトン」(岩波文庫)

ソクラテスの弁明 クリトン (岩波文庫)作者:プラトン,久保 勉岩波書店Amazon 内容は今更ここで説明するのも野暮な話なので、感想だけを書いていきたい。 実はこの本、たぶん高校生くらいだったと思うが一度手を出している。しかし、結局読み通せなかった。算…

岡田斗司夫「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)

別に太っていないので、やせる必要もないけど読んでみた。なかなか面白かった。というか、一度に「デブ」という単語をこれほど読んだ経験はないほど、「デブ」という熟語が頻出してくる。まあそれはどうでもいい。 何というかその、岡田氏はダイエットするこ…

稲垣太郎「フリーペーパーの衝撃」(集英社新書)

国内外のフリーペーパーを取材し、その紹介を通してフリーペーパーの特色を浮かび上がらせ、将来性や今後の可能性について探っている。著者は元々新聞記者だったということもあり、詳しく取材されているのが分かる。面白い。 国内のフリーペーパーの特色とし…

宮元健次「神社の系譜 なぜそこにあるのか」(光文社新書)

なんだかいろいろと残念な本だった。 神田神社や大神神社、鹿島神宮に出雲大社、そして明治神宮や靖国神社まで、さまざまな神社について、「自然暦」という視点でそこにその神社がある理由を論じながら、かつてその神社を建てた人たちの思想に迫るという内容…

竹光誠「日本人なら知っておきたい神道」(KAWADE夢新書)

日本古代史などを専門とする明治学院大教授が、題名にある通り「神道」について、細かくいろいろと教えてくれる本。面白い。 日本人の血の中に意識しようがしまいが流れている「神」という存在について、まずは太古の日本人が自分たちを超越する自然について…

越智道雄・町山智浩「オバマ・ショック」(集英社新書)

英語圏の比較文化研究者の越智氏と、映画評論家でコラムニストの町山氏との共著。オバマ大統領の誕生を中心にすえて、オバマが大統領に就くまでにいたる、アメリカ社会の変遷について、対談形式で考察している。といっても難しい内容ではない。 実際にアメリ…

「論文の書き方」清水幾太郎(岩波新書)

定期的に読み返す本で、すでに4~5回は読み返しているであろういわば「座右の書」の一つ。いまさら説明する必要がないほど有名な社会学者であり、この本もいまさら紹介の必要もないだろう。名文家として知られる清水先生の「文章の書き方」についてのエッ…

フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

映画『ブレードランナー』の原作だが映画の方は見たことがない。(追記:DVD買って観た) 自分は近未来を舞台としたSFは苦手だ。なぜならば、現代や過去を舞台にしたものに比べて舞台の設定がばらばらであり、自分の中でイメージ構築するのに四苦八苦するか…