如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

新人の失敗をネタにするのは「いじめ」なんじゃないかという話

 そろそろ新年度ということで、弊社での新入社員が入ってくる時期になるわけだが、1つだけ絶対にやらない、やっている人がいてもそれに乗らないと心に決めていることがある。

 それは「新人の失敗で笑いを取らない」ということだ。

 会社に限らず、ルーキーは初めてのことに挑戦するわけだから、1つや2つ失敗はするし、仕事場に染まった自分たちからすれば思わず「ネタ」にしたくなるようなことをしでかすかもしれない。

 特に酒の席ではそうなのだが、上の年次の人間がその新人の失敗をサカナに酒を飲む。しでかした新人の失敗を披露して、笑いのネタにするというアレだ。ひどいのになると、その新人本人がいる前でそれをわざわざご披露してくれる。

 そこまであなたは偉いのかと。正直、笑えない。

 誰にだって新人時代はあったわけで、笑いのネタにする人だってとんでもないミスをしているかもしれない。いや、絶対に何かやっているはずだ。自分のそんな失敗談を話すのはわかる。しかし、他人のそれで笑いをとるのは醜悪だと思う。しかも相手は新人だ。

 新人が失敗をしたら注意をすればいい。そうすれば次に生かすことができるし、再発も防げる。しかし、笑いのネタにすることに生産的な要素はあるのだろうか。ほとんどないと思う。

 逆に負の要素はある。たくさん人がいる前で、新人であるがゆえ、経験がないがためにしでかした失敗で笑われるという経験に生産的な要素はあるのか。むしろ逆であり、精神的ないじめと言ってもいいと考えている。

 4月から、日本各地で新人いびりが始まるのだろう。そう思うと気が重い。