如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

裁判所前の行列は本当に「市民」なのか問題

 世間的にとても注目される裁判があると、新聞やテレビで「傍聴券の抽選に並ぶ市民」みたいなキャプションで裁判所前にできた長い行列が紹介されるときがある。

 しかし、この行列に並んでいるのは数が限られている傍聴券をゲットするため、マスコミ各社が動員している抽選要員だということは公然の事実だ。確かに「抽選に並ぶ市民」という意味では間違っていないが、そのほとんどはマスコミ各社が雇ったアルバイトだったり社員だったりする。

 そもそも、平日に開かれる裁判にそんなに市民が裁判を見るためだけに集まるかという疑問もある。もちろん、裁判の内容によっては一般市民が集まるかもしれないが、そのような裁判ならば一般市民の関心に比例してマスコミ各社も行列要員を増やすはずだ。

 要するにそういうことだ。

 しかしながら、「傍聴券の抽選に並ぶ市民」というキャプションは間違っているだろうか。マスコミの理屈では間違っていないらしい。アルバイトで動員されたりマスコミの社員だったりしても「傍聴券の抽選に並ぶ市民」であることは事実だからだ。アルバイトだろうがマスコミの社員だろうが「市民」なのは間違いない。だからキャプションも間違ってない。こういう理屈だ。

 マスコミによる報道には、このように「まあ確かにそうだけどさ」という理屈付けされた内容が意外と多い。いいか悪いかの議論はとりあえず置いておくとして、そのあたりを気をつけて記事を読んだり、ニュース映像を見たりすると面白い。いろいろな発見ができる。

アメリカ流 7歳からの行列―目で見てわかる! (ブルーバックス)

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