如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

日本のブログ世界はダメになった

 ブログの世界が変わってしまったと感じている。

 何かと話題に上がるのはライフハックや他メディアの記事を剽窃してつくったまとめブログばかりだ。喜び勇んでそれらをブックマーキングしたり「いいね!」を押したり。みなさんお忙しいことである。

 そしてそれらのブログには、ネオン街のごとくにアフィリエイトバナーが張り付けてある。別に広告を張るのは全然構わないのだが、どれだけみんな銭ゲバなんだ。明らかに下心みえみえでめまいがしてくる。

 ブログは結局、金儲けの手段に成り下がってしまったのだろう。

 もちろん自分だってお金は欲しい。ブログで稼げるならそれで稼ぎたい。しかし、ある程度の節操のようなものはもっとあっていいのではないかと感じている。

 まるでアクセス数が貨幣のようになっている。いかにアクセスを稼ぐか。そのためにいかにSNSなどを使うか。いかに炎上をうまく使うか。いかに釣り見出しをつけるか。

 冒頭にも書いたが、それらのブログで使われている素材はどこからか持ってきた他人の素材がほとんどだ。記事にしろ写真にしろ、それはきちんと対価を払って使っているのか。それは全部無償で使っていい素材なのか。

 書評っていったって、ただ目次をそのままコピペして愚にもつかない感想を書いているだけではないか。「引用」の名でながながと本文をコピペして、つまらないコメントを短く書けばそれは書評なのか。違うと思う。

 すでにそういったアクセス数とアフィリエイト目当てのブログが飽和状態になっている中、今後はどのような方向に趨勢が流れていくか。

 恐らくは「きちんとした」ブログしか最終的には残らないのではないだろうか。

 まとめブログという名の剽窃ブログも、それこそ2ちゃんねるから名指しで蹴られたり、そもそも2ちゃんねる自体がなくなってしまえば終わりだ。可能性は低いがゼロではない。

 コピペに関しても今は無法地帯状態だが、今後何らかの形で著作権や肖像権関係で厳しくなる可能性も考えておいた方がいい。

 いずれにせよ正しい「引用」の概念は知っておいた方がいいと思う。リスクがある。

 どこもかしこも、そんなブログばかりだ。頭が痛くなってくるようなネオン街の光の中にいるようだ。

 みんなそこまでしてお金がほしいのか。ほしいのだろうな。うん。気持ちは分かる。

 新しいお金の流れるルートとしてアフィリエイトとかそういうものが生まれたのは、経済学的にも説明がつくだろうし奨励されるべきだろう。

 しかし、その主たる商品であるコンテンツがほとんど他人の素材を持ってきて並べただけというのは建設的でない。狭い世界で素材をぐるぐる回しているだけで新しいものはでてきにくいのではないだろうか。

 もちろん、自分の言葉で書いて自分の腕で素材を生み出している人も多い。しかし、そんな素材も誰かに無断で持っていかれる。

 これが日本のブログ世界の現実なのだろう。

 最終的には誰も得せず、全員そろって沈没していく運命にあると思う。まあそれも日本的でいいかもしれないけど。