如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

勉強する前より、勉強の最中に読んだ方がいいかも:ロンブ・カトー「わたしの外国語学習法」

 何かというと「英語を勉強する!」という目標を掲げて、結局は三日坊主で終わるという自分の経歴を振り返ると、自分の甲斐性の無さというか持続性の無さというか、ダメ人間ぶりしか想起されないわけで、「外国語の学習法」というテーマの本にはどうしてもすがりたくなる。

 この本は「5カ国語の同時通訳、10カ国語の通訳、16カ国語の翻訳者」という著者がいかにして外国語を学んできたか、外国語を学ぶとは何かについて論じている。とはいいながら、いわゆるハウツーや自己啓発系の本とは完全に一線を画している。

 著者がこれまでにさまざまな言語を勉強してきた経験を振り返りながら、そもそも外国語を学ぶとは何かという部分について考えるエッセーになっており、言語学習のノウハウを直接的に読み取ろうとすると、ちょっと読み方に迷う本かもしれない。とはいえ、多読のよって単語の覚えていく手法の理屈や、辞書の使い方を通した効果的な勉強法など、学ぶべき点は非常に多い。それだけに、外国語の勉強がなかなかモノにならない人や、今現在勉強をしている最中という人にとっては、ヒントがたくさん詰まっているといっていいのではないだろうか。

 冒頭にも書いたとおり、自分は勉強すらしていないような身なので、もしこれから本気で外国語を勉強し始めた時、再び読み返すと後押しをしてくれる本だと思う。