如何ともしがたい何か

便所の壁に殴り書き

お前らみたいな小市民がネットで正義の味方になんかなれないよ

 一例として、マスコミ叩きで悦に入ってる人って多いなあと思う。叩き返されることがないから、思う存分叩いて自分だけ気持ちよくなるというオナ○ー紛いのことに興じている人は実に多い。まあ、マスコミ批判していれば逆に誰からも批判されず、自意識過剰なネットの有象無象からは支持される。そりゃ麻薬のようにやりたくなる。正しい批判ならまだいいけど、自分こそマスコミみたいに適当な情報で謎な理論つくってるんだから世話ないという。ネットでのマスコミ批判は、残念ながら、現実世界で何の影響力も持っていない小物みたいな連中が、唯一優位に立てるほんの小さなお遊戯に過ぎない。優位に立てると書いたが、それすらも残念ながら幻想でしかないのだが。

 「マスゴミ」という単語を好んで使う有象無象は、ネット上でいつのまにかつくりあげられた「マスゴミ」という虚像を喜び勇んで叩く。ここでいう「マスゴミ」はマスコミとは全然違う概念だ。ネット上に無数に転がる事象の中から、おいしそうな批判の種だけを選んで、勝手に「マスゴミ」という大きな勢力を構築している。妄想で。妄想で出現した概念を叩いたところで、マスコミは痛くないだろうという。

 ネット上にはマスコミを叩ける(と思われてるが実際はそうでもない)種はいくらでも探せば手に入る。それを裏書きする情報だけを仕入れて、勝手に妄想を広げていく。それらに反する正しい情報があったとしても、ガセネタだなんだで信じないでいられるお気楽な立場だし、だからどれだけ経ってもマスコミはまだまだ残っているのだよ。現実を見ようぜ。部屋に引きこもってスマホだけいじってないで、町へ出ようぜ。

 だいたい新聞記事が匿名で好き勝手に書かれてるっていうけど、新聞開いてみたら署名記事多いよ。全部じゃないけどね。実際に新聞を読まずに批判とは気楽だよな。ネットに掲載されている記事だって署名あるだろ。いつのころからか、匿名で記事を書く記者はけしからんって言ってるお気楽な人が湧いて出てきたけど、実際に新聞を開いてみろっての。堂々と実名さらして記事かいてる新聞記者がかわいそうになってくるよ、さすがに。お前らが一番嫌いな毎日新聞を開いてみ。お前らが変態呼ばわりする人たちが、堂々と自分の名前で記事書いてるから。

 ネットの断片的な情報だけで自分の論を構築するのは危険だ。そんな有象無象が集合したときの化学反応の結果が、アメリカでの陰謀論者が大暴走した事件の数々である。日本でだってその萌芽はある。何とは言わないが。ネット全盛で、自分が知りたい情報しか収集しないでどんどんと明後日の方向に行く人が多いと言われ始めてずいぶんたつ。ネットは人を賢くしていない。社会の分断と、バカの連合体づくりにしか役になってない。すべてが幻。

 みんな、現実を見ようぜ。目の前の現実に向き合おうぜ。お前はただの一市民。正義の味方になんかなれないんだよ。とりあえず目の前を流れるお刺身にタンポポ乗せる作業を続けようぜ。つまらないかもしれない。自分はこんなので終わる人間じゃない。そう思うのもよくわかるよ。だけど認めようよ。お前はただの小市民。何の発言力も無い小さい人間なんだよって。だけどお前みたいな小さい存在の人間がたくさんいるからこの社会は回るんだよ。不必要な人間じゃないからそこは自信持てって。堂々と胸を張ってタンポポ乗せればいいんだよ。

 そして、謙虚に学ぼうぜ。本当の世界の姿をよ。